解体工事の現場で、古い井戸が見つかることがあります。
この井戸をそのまま放置することは、安全面や環境面から非常に危険です。
そのため、解体工事と同時に井戸の埋め戻し作業を行うことが一般的です。
井戸の埋め戻しとは、不要になった井戸を埋め立て、安全な状態にする作業のことです。
単に土で埋めてしまえば良いというわけではなく、適切な方法で行う必要があります。
○一般的な埋め戻し
井戸の中に砕石やコンクリートガラなどを充填し、上から土で覆う方法です。
○特殊な埋め戻し
井戸の構造や周辺環境によっては、特殊な工法が必要になる場合があります。
例えば、地下水脈との関係や、地盤の強度などを考慮した設計が必要となります。
解体工事で出てきた井戸の埋め戻しは、専門業者に依頼することが強く推奨されます。その理由は以下の通りです。
○安全性の確保
DIYでの作業は、土砂崩れや地下水の流出など、思わぬ事故につながる可能性があります。
専門業者は、安全対策を徹底し、適切な手順で作業を行うため、安全性を確保できます。
○専門知識と経験
井戸の構造や周辺環境は様々です。専門業者は、豊富な知識と経験に基づいて、最適な埋め戻し方法を選択し、作業を行います。
○迅速な作業
専門業者は、人員や機材を効率的に配置し、迅速に作業を進めることができます。
○法規制への対応
廃棄物処理に関する法律や条例など、様々な法規制が関係します。専門業者は、これらの法規制に精通しており、適切な手続きを行いながら作業を進めます。
○保険への加入
万が一、作業中に事故が発生した場合でも、専門業者の保険で対応できるため、お客様の負担を軽減することができます。
DIYで井戸の埋め戻しを行うと、土砂崩れ、地下水の汚染、周辺構造物への影響などが考えられます。
このようなことが起こりえることを考えると、DIYでの埋め戻しはおすすめしません。
経験豊富である専門業者へ、依頼をしましょう。
ここからは井戸の解体・撤去を行う実際の流れを説明していきます。
基本的には、以下の手順でお祓い・息抜きを行い、井戸を埋めていきます。
井戸は日本では古来より神聖なものとして考えられており、水の神様が宿るともいわれてきました。
綺麗な水は貴重なものだったため、大切にする風習が生まれたと考えられます。
神主や僧侶を呼んでお祓い(別名:魂抜き)を行いましょう。
お祓いの費用としては、3万円~が目安となります。
井戸の中に残っている水やゴミを取り除き、内部を清掃します。
特に長期間使われていない古井戸だと、底部に汚泥が溜まっているため、しっかりと清掃するようにしましょう。
息抜きとは、井戸の底からパイプを通す作業手順です。
息抜きは、井戸の底に溜まった水やゴミを取り除いてから行います。
息抜きを行う理由は主に以下の2つです。
★神様が井戸の外へ通り抜けるため
★井戸から発生するガスを抜く
これらは信仰的な意味合いもありますが、井戸があったことによる地盤沈下の予防や、建物をこの上に建築しないようにといった警告も含まれています。
息抜きができたら、コンクリートから作られた再生砕石や再生砂を使って井戸を埋め戻します。
良質な砕石や砂を正しく投入しなければ、地下水の水質が悪化や地盤の弱体化の原因になるため、知識のある解体業者に任せるのが安心です。
井戸に投入する砕石や砂が地面まで達したら、井戸の枠を撤去します。
最後に、井戸があった場所と周囲の土地を平らにならし、整地をして完了です。
整地後は、何もなくなった地面から息抜きのパイプだけが出ている状態になります。
解体するのに必要な費用は、井戸の種類により異なります。
標準的な古井戸の埋め戻しでは、お祓いや井戸の清掃、息抜き設置といった作業が含まれ、費用は約10万円が相場です。
ただし、規模が大きい場合や特別な清掃が必要な場合は、20万円以上かかることもあります。
解体工事で出てきた井戸は、放置しておくと様々な問題を引き起こす可能性があります。
安全かつ適切に処理するためには、専門業者に依頼することが重要です。
専門業者は、豊富な知識と経験に基づいて、お客様に最適な解決策を提案します。
井戸の埋め戻しを検討されている方は、ぜひ一度専門業者にご相談ください。
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