解体工事の前に、取り壊す建物への感謝と、解体工事の無事を祈る大切な行事が「お祓い」です。解体前に行うお祓いは「解体清祓(かいたいきよはらい)」と一般的には言われます。
お祓いは厄災を取り払う儀式であり、古くから伝わる神事の一つです。また伝統として、あらゆる物には魂が宿るという考えもあり、それを鎮める鎮魂の意味合いも含まれております。
解体する建物に思い入れがある場合は、気持ちの整理をつけるため、長年の感謝を込めて、という意味でもお祓いをするというのは良いことかもしれません。
時代が進むにつれ、このような考え方は薄れはじめてきておりますが、お祓いが必要かどうか、悩まれる方も多いかと思います。
そこで今回はお祓いの必要性についてお話していきます。
お祓いはもともと神道の宗教的儀式です。神道では、森羅万象あらゆるものに神が宿る、という考えがあります。
神が宿るとされる建物や土地に、これまでの感謝とお清め、無事を祈るためにお祓いをするのです。
仏教やキリスト教にはそのような考えがないため、お祓いは行いません。
解体清祓
建物を解体する際に行われるお祓いです。基本的には解体をする直前に行うものです。
井戸祓
文字通り井戸を埋める前に行うお祓いです。解体途中に発見された場合はそのタイミングでお祓いを行うこともあります。
樹木祓
敷地内にある樹木を切る際に行うお祓いです。
長年生えていた樹木にも魂が宿るとされており、鎮魂のためにお祓いをします。
魂抜き
仏壇や神棚を撤去する際に行うお祓いです。宗派により方法が違うため、宗派の確認が必要です。
お祓いでよく認知されている「地鎮祭」は家を建てる際に行います。
解体前のお祓いをする際、何を準備して、どのような流れになるのでしょうか。
・神職の先生・・・お祓いを執り行ってもらう神職の先生を手配します。
・お供えもの・・・神様への感謝の気持ちを表すため、お供え物を準備します。一般的には米、塩、酒、魚、野菜を用います。
・玉串・・・神様への奉納物です。
・榊・・・神前に供える植物です。
・白布・・・祭壇を飾るための白い布です。
・コップ・・・お供え物の酒を入れるためのコップです。
1.場所の清浄:お祓いを執り行う場所を清めます。
2.祭壇の準備:白布を敷き、榊や供え物を飾り、祭壇を作ります。
3.神職の入場:神職が入場し、祝詞を奏上します。
4.四方清め:建物の四方を清めます。
5:玉串奉奠:参列者が玉串を奉納し、拝礼します。
6:祝詞奏上:神職が、建物の解体と工事の安全を祈願する祝詞を奏上します。
7:撤饌:供え物を下げます。
8:神職の退場:神職が退場します。
全体の所要時間としては1時間程度です。
・日時・・・大安吉日など、縁起の良い日に行うのが一般的ですが、必ずしもこだわる必要性はありません。
・費用・・・お祓いの費用は神社や神職により異なります。
・服装・・・普段着で問題ありませんが、清潔な服装で参列しましょう。
・参列者・・・家族関係者が出席します。
神職に依頼せず、自分で行う場合もあります。その場合、塩をまいたり、お清めの言葉を唱えるといった簡易的な方法が一般的です。
このように解体前のお祓いは必ず行う必要のあるものではありませんが、長年住み慣れた家への感謝、新しい生活への心機一転といった、気持ちの整理をつけるための大切な儀式といえます。
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