解体工事は、周辺環境に大きな影響を与える可能性があります。そのため、工事を始める前に近隣住民への挨拶を行うことが重要です。今回は、解体工事前の近隣挨拶について、その重要性、具体的な手順、必要な準備物などを詳しく解説します。
解体工事をするうえでどうしても避けられないものが、騒音や振動です。防音機能のある養生などもありますが、解体する以上絶対に発生してしまうものです。できることといえば早朝や夜間を避けて日中の時間に行うことくらいです。それでも迷惑がかかってしまうことは避けられません。
飛び散った粉塵で洗濯物や駐車中の車を汚してしまうこともあります。飛散しないように養生や水まきも行いますが、完璧に防ぐことは難しいです。建物に潜んでいた害虫などが近隣住宅へ逃げ込むことも考えられます。
許可なく隣の柵やブロック塀、外壁などを破壊するリスクもあります。工事中に破損などの事故が生じた場合、解体業者に損害賠償責任が生じます。しかし施主からの無理な要求により破損してしまった場合は、施主に損害賠償責任が発生します。
工事車両が近隣住民の車をふさいでしまったり、作業員の態度やタバコやごみのポイ捨てなどによりお叱りを受けてしまうケースもあります。近隣への挨拶が無いというのもトラブルの一因です。
いつ挨拶へ行けばいいのか、誰が行くのか。気になるところですが、理想とされているのが工事開始の1週間~10日前と言われております。不在で挨拶できない可能性もありますので余裕をもって日程を組むとよいでしょう。工事前日に慌てて挨拶になるとかえって悪い印象を与えてしまう恐れもあります。
挨拶は施工業者が行いますが、施主も一緒に行くのが最も理想的です。範囲は解体する建物の両隣、裏側と向かい側、斜め向かいといった騒音や粉塵で迷惑をかけうる範囲が対象です。
挨拶へ伺う際は、必要事項を記載した「挨拶状」と「粗品」を持参するのが一般的です。挨拶状には以下の内容を盛り込みます。
・工事協力のお願い
・工事名
・工事場所
・工事期間
・工事時間
・休業日
・施主名
・施工業者担当者名、連絡先
粗品は必須ではありませんが、これから少なからず迷惑をかけてしまうことになるので、なるべく用意しておくとよいでしょう。
粗品として適しているのがタオルや洗剤といった日用品です。必ず使うものなのでもらって困らない消耗品を渡すのがよいでしょう。
粗品にはのしを付けます。のしには「内のし」と「外のし」がありますが、比較的幅広い用途で用いられる「外のし」にするのが一般的です。
解体工事前の近隣挨拶とは、解体工事によって発生する騒音、振動、粉塵などの影響について、事前に近隣住民に説明し、理解と協力を得るためのものです。法的な義務ではありませんが、トラブルを防止し、円滑な工事を進めるために欠かせません。
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